2017年05月04日

動かない人

犬の散歩をするときに選ぶ道のひとつに、元は用水路だったと思われる遊歩道がある。

幅2メートルあるかないかの舗装路で、車はもちろん通れないし、真っ直ぐな道のところどころ(別の道をまたぐ様なところ)には鉄製の柵状のものが設置され、自転車も容易には通り抜けられないようになっている。歩くには安全だけど、それ以上でも以下でもない。花もなければベンチなどもない道だ生髮方法



最近になって、その道の途中の片隅に、おばあさんが座っているのを見かけるようになった。荷物を入れて転がせるし腰掛けにもなるあのシルバーカートに座り、隣家の生け垣に溶け込むようにして、うつむき加減でじっとしている。とにかくじっと動かない。



一度目は夕方近かったので、買い物の途中で疲れて座りこんでいるのかと思って様子を見たけれど、呼吸の乱れもなく、ただ静かに座っているだけなのが分かった。二度目はお天気もよかったので、日向ぼっこかもしれないと思った。が、3度めに見て、なんだかやっぱり変だと思った。時間もまちまちだった。家にいたくない理由でもあるんだろうかと邪推してしまった。



公園ならともかく、通る人も少なく立ち止まる人などいない、殺風景なコンクリートの道の端だ。帽子を目深にかぶり、マスクもして、手袋もして、辺りを見るでもなく下を向いているこの人はここにいて何が楽しいのだろう。犬を連れていると、大抵の人が犬の方を目で追うけれどそれもない。じぃーっとしているだけなのが不可解で、申し訳ないけれど、あまり見ないようにして通り過ぎた3m淨水器



けれども昨日は、その人の顔を見た。
犬と歩きながら、「ああ、またあのおばあさんがいる」と思って視線をあてていたら、ふわっとおばあさんが顔を上げたのだ。帽子とマスクの間に「目」が見えて、その目がニコっと微笑んだ。



声はなくても、それは普通に優しく「こんにちは」というようなニッコリだったから、私も反射的に「こんにちは」と言った。なんだなんだ、最初から目を合わせて、挨拶すればよかったんだなぁ、次からはここでおばあさんを見かけても気が楽だぞ。



……と、ほっとしたのだけど、今になって別の考えが頭をよぎる消毒噴霧



あの笑顔は、「あら、あなた、私が見えるの?」って、言っていた?



いや、ないないない。


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